ジュエリー用ダイヤモンド
指輪、ネックレス、イヤリングなどのジュエリーとしてダイヤモンドを用いる場合は、必ずしもすべての基準が最上級である必要はありません。
完璧なダイヤモンドは、希少性が高く、金額も高いものになります。つまり、予算が決まっている場合は、最高スペックのダイヤモンドだと小さいものになってしまいます。最高スペックダイヤを身に着けたいという人は、迷わず、全ての要素が完璧なダイヤモンドを選んでください。
CASE 01
最高スペックのダイヤモンドを身に着けたい
迷わず、全ての要素が完璧なダイヤモンドを選んでください。
ただし、クラリティーだけは最上位の「FL」を避け、2番目の「IF」を選んでください。
なぜなら、FLのダイヤモンドを指輪などの台座に取り付けると、
「IF」に格が下がってしまう場合があるからです。
カラー :D
クラリティー:IF
では、予算の範囲内でできるだけ大きいダイヤモンドを、恥ずかしくない品質の中から選びたいという方は「何を諦めないか」と「何を諦めるか」を判断していくことになります。
まず、諦めないものを決めていきたいと思います。当店としては、「カット」のグレートだけは諦めて頂きたくありません。なぜなら、ダイヤモンドは、最高のカットをすれば、たとえ小さくとも、たとえ色や純度が劣っていても、必ず輝くからです。キラキラと輝いてこそダイヤモンドですから、この点だけは諦めて頂きたくありません。たとえ小さくとも、色や純度が劣っていても、カットが完璧であれば、煌めくのです。そこで、カットは「3EX」(Excellentが3つ)のものを選ぶことを推奨します。
この段階で、次の3つの要素は確定しました。
◆カラット:1.0ct以上
◆カット:3EX
◆鑑定書付き
次のステップに進んでいきます。どのケースが自分に当てはまるか、考えてみてください。
CASE 02
「完璧」までいかなくとも、とにかく高品質なジュエリーを身に着けたい
スペックを少し落とすだけでかなり安くなります。
最高位ではなく、それに準じるスペックを選ぶ場合は、次のようになります。
カラーとクラリティの両方を1ランクダウンした場合
カラー :E
クラリティー:VVS1
D - IFより約30%安くなります
カラーかクラリティどちらかを1~2ランクダウン、またはカラーを2ランクダウン
カラー :F
クラリティー:IF
D - IFより約30%安くなります
CASE 03
全体的にグレードダウンしてバランス重視
特定の基準を捨てるのではなく、全体的にグレードを落として、バランスを保つというのは、賢明な選択です。
その場合、例えば、次のようなグレードの落とし方があります。
カラー1ランク、クラリティー2ランクダウン
カラー :E
クラリティー:VVS2
D - IFより約35%安くなります
カラー2ランク、クラリティー4ランクダウン
カラー :F
クラリティー:VS2
D - IFより約50%安くなります
CASE 04
カラーのグレードは維持したい
カラーとクラリティーを比較して、カラーを優先したい場合は、クラリティーを極力落とすという選択肢もあります。
とはいえ、あまりクラリティーを落としすぎると、肉眼で不純物が見えてしまうのは恥ずかしいものです。
そこで、10倍拡大で発見がやや困難な内包物が認められる(肉眼では全く分からない)「VS1」「VS2」、もしくは、10倍拡大で発見できる内包物が認められる(肉眼ではほとんど分からない)「SI1」「SI2」までクラリティーを落とすという考え方です。例えば、次のようになります。
Dカラーで、クラリティーを3ランクダウン
カラー :D
クラリティー:VS1
D - IFより約40%安くなります
Dカラーで、クラリティーを5ランクダウン
カラー :D
クラリティー:SI1
D - IFより約60%安くなります
カラーを「E」や「F」に落とすと、さらに安くなります。
CASE 05
クラリティーのグレードは維持したい
カラーとクラリティーを比較して、クラリティーを優先したい場合は、カラーを極力落とすという選択肢もあります。
とはいえ、カラーを最低まで落とすと、見た目、濃い黄色になってしまうため、ダイヤモンドらしさが失われてしまいます。
そこで、単独で見たら分からないものの、比較したら若干黄色がかっているのが分かるという程度までカラーを落とすという考え方です。例えば、次のようになります。
カラーを4ランクダウン、クラリティーはVVS1
カラー :H
クラリティー:VVS1
D - IFより約50%安くなります
カラーを6ランクダウン、クラリティーはVVS1
カラー :J
クラリティー:VVS1
D - IFより約65%安くなります
そして、最後に、大きさだけにこだわり、後の要素は極力落としたい場合は、次のようになります。
CASE 06
とにかく大きさにこだわりたい
この場合でも、カットだけは維持しましょう。
カットには「プロポーション」「ポリッシュ(カット面の輝き)」「シンメトリー(カットの対象性)」の3要素がありましたが、最悪でも「プロポーション」は「Excellent」を維持してください。「ポリッシュ」と「シンメトリー」は「Very Good」までは落としてよいでしょう。
色はJまでが限界、クラリティーはSI1が限界と考えます。その場合は次のようになります。
カット以外はすべての要素を極限まで落とす
カラー :J
クラリティー:SI1
D - IFより約75%安くなります
ただし、SI1のなかでも、比較的内包物が目立つものとそうでないものがあるので、良質なものを選ぶようにしてください。
このグレードのダイヤモンドを買う場合は、1.0ct-D-IFのダイヤモンドを買う予算で、2.0ctのダイヤモンドを手に入れることができます(ただし、大きいダイヤモンドになるほど、内包物が目立ちやすくなるので注意が必要)