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かぐつちラーメン物語

「利尻昆布ラーメンくろおびが辛いラーメンを作ったらどうなるか」

 こんな問いかけから、このプロジェクトは始まりました。

 くろおびラーメンは、高級利尻昆布をふんだんに使って作っていますので、強い香りの香辛料を使うと、本来のスープのおいしさがかき消されてしまいます。
 色々と試しましたが、普通の唐辛子だと、やはりスープの良さが失われてしまうのです。

 そこで、『生唐辛子』を使うことを思いつきました。日本ではあまり見かけない食材ですが、タイ料理やベトナム料理ではよく使われています。
 生唐辛子は、乾燥唐辛子よりも辛みが強く、舌に刺すような辛さを覚えますが、乾燥唐辛子のような独特の風味がないため、スープの旨味を消さないのではないかと思ったのです。
 そうしたら、案の定、生唐辛子だと、強い辛みはあるものの、スープ自体の旨味に影響を与えないことが分かりました。
 しかも、生唐辛子を使ったことで脂っこさを感じにくくなるという効果が現れました。よりあっさりしたスープに仕上がったのは、そのことが原因です。
 生唐辛子は輸入品が多いのですが、私たちは国内で生唐辛子を生産している農家を探し、そこから調達することにしました。
 ただし、普通の辛いラーメンは真っ赤ですが、かぐつちラーメンは赤くありません。一見、普通のラーメンに見えます。間違ってお子様が手を付けないよう、ご注意ください。

 しかし、かぐつちラーメンを宅配用にするには、一波乱ありました。もやしと大根おろしを真空パックにして6日間持たせないといけないという問題です。傷みやすい食材ですから、保存料を用いずに微生物検査をクリアするのは至難の業です。
 そこで、もやしは水分を隔離した状態で煮沸して急速冷蔵、大根おろしは出荷前に真空パックのまま煮沸して急速冷蔵することで、微生物の増加を抑えることに成功しました。

 お店の味に近い「かぐつちラーメン」を、ぜひご家庭でお楽しみください。

店主

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